弥蘇場地蔵堂、八十場の泉
流水灌頂(ながれかんじょう)
八十場の泉の隣に佇む弥蘇場(やそば)地蔵堂。流水灌頂は古くから続く風習と言われ、水の災難や難産で亡くなられた方などが供養されています。板塔婆が泉の中に置いてあり、お地蔵さんには八十場の霊水を注ぎます。天皇寺高照院のご住職らが本堂でお勤めの後、お地蔵さんに水を注ぎ、続いて地元の皆さんが水を注いで供養します。昔は日本中で見られた風習だったそうですが、今でも残っているのは非常に貴重で、先祖供養や家内安全などを祈る庶民の思いが引き継がれた行事になっています。毎年7月の第3日曜日に行われています。
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地蔵堂内の、擬人化された拝む「キリン」(常設ではないと思いますが)。市内の造形作家によるこうした作品は最近、市内数か所に置かれ市民や観光客を癒しています。(2022年5月撮影)
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補足:八十場(やそば)の泉は、古くは「安庭水」、後に、日本武尊の大魚退治伝説により「八十蘇水」に、さらに崇徳上皇伝説の頃より「野澤井」と改められた(「綾北問尋鈔」(1755年)要約)という。「全讃史」(1828年)には「野澤井、今の八十場」と記されています。