天皇神社(坂出市)

坂出市川津町の「春日神社」は、香川県神社誌によると、「『社家伝説聞書』に「当村は藤原氏所領なる故大和の春日明神を勧請した」、『道家関白處分記』に「讃岐国河津庄春日社領」とあり古くから大和国春日神社の社領であり、崇徳天皇の御崇敬により侍臣に奉幣させた」としています。また、天皇神社は崇徳天皇を祭神とする春日神社の境外末社(崇徳天皇社)であり、社伝によれば「この地は崇徳天皇御巡遊の地であるため祠を建て、後に廣濱紀伊という者が社伝を改造した」としています。

「天皇神社」参道にある由来書きには、上皇はしばしば川津郷の荘園領主だった廣濱紀伊守の館に御微行(身分の高い人が密かに訪れる)され,この辺りが京都東山に似ていると仰せられ配流の淋しさを慰められた、1167(仁安2)年「煙の宮」から分霊し社殿を建てた」とあります。

上皇「御微行」が想定される状況は次のようになります。
ⅰ讃岐配流期間のうち、こうした訪問が可能なのは、御供所に造営された御所(真光寺屋敷)にお住いの時期であること、
ⅱ御供所では上皇を慕って来た官人がお世話をしていたと伝えられており、配流のため一定の監視はあったが、近距離の往来程度は可能だったこと
ⅲ御所からは、御供所東海岸、角山(津ノ山)東麓、福江海岸から川津までの南行経路を辿ったこと

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2021年03月12日